なつい。
宮沢りえさんが出ている「ミュージック・ポートレイト」(Eテレ)を見てた。
私は彼女とほぼ同世代なので、
「芸能人としての自分と、実際の自分とのギャップに悩んでいた」
と語っている彼女を見ていて、とても懐かしい感じを覚えた。
そうそう、昔はそうやってアイドルの人とかは悩んでたなー、と。
あの時代のアイドル(アイドル自体は下火の時代)に特有のことだったかもしれないけど。
バンドマンなんかも、世間の評価と、自分らが言いたいことが違うとかで、
みんな悩んでいた気がする。
けっこう自意識が強い、難儀な世代かもしれない。
今のアイドルのように、そういったギャップもないくらい、
「はいはい、昔のアイドルはそうなんでしょ、
うちらはそんなしょーもないことで悩みませんよ」みたいに先回りして、
ギャップがあるのも織り込み済みのこととして、
自覚的に、戦略的に振る舞う彼女らを見ていると、
なんとなく寂しいというか、怖いというか、
人らしさに欠ける気がして、どことなく見たくないもののように感じる。
確かに、そういうことで苦悩しているアイドルは見たくないのもわかるし、
でも、「その程度のことで悩んでポシャるなんて、くだらない」
とでも言わんばかりに、
ただただひたすら、明るい面ばかりを見せ、
「なんでもわかってますよ」という感じでしたり顔の最近のアイドルを見ると、
それはそれで、案外つまらない、
惹きつけられるものがない、みたいに感じてしまう。
多分本当に、アイドルの自分と、普段の自分にギャップがないんだろうね。
そのことがなんとなく恐ろしいようにも思う。
かたぎの人間として生きることがなんなのか、一切わからないのかな、みたいな。
もしかしたらみんな悩んでいるかもしれないけど、
語らなくなったよね、ほんとに。。